2009年9月10日木曜日

現代画報|ガラスの向こう側

少し前から近所で建設中だった特別養護老人ホームが最近完成しました。大きな敷地にたっぷりとった庭と立派な建物、地下駐車場をドーンと構えています。これが、結構な威圧感です。建物が大きいから、ということだけが理由ではなくて、どこか妙な違和感があるのです。それが何なのかずっと分からなかったのですが、先日その建物の前を通りかかった時、ハタと思い当たりました。この老人ホーム、外側に面する壁のほとんどがガラス張りなのです。ブラインドをつけている箇所はわずかで、ほぼ中が丸見えです。一見して開放的かと思いきや、ガラス越しに見えるのは奥の無機質なコンクリートの壁とたくさん並んだ個室のドア、車椅子、そして、呆然と外を眺めるパジャマ姿のお年寄りです。入居されている方たちはこのガラス張りの壁をどう思われているのだろう。。確かに光が入ってきて気持ちいいかもしれません。でも、外から見る側にしてみると・・あの虚ろな姿は少し寒気を覚えてしまいます。現代画報で老後のライフプランについて特集を組んでいますが、超高齢化社会を目前にした私たちは、今の生活と同じぐらい老後について考えなくてはいけないんですよね。いや、その前に健在の両親が10年後にはどうなるか、介護問題が待っているのかな。先が見えない未来への恐れ、「漠然とした不安」が、現代社会に靄のようにかかっています。でも、あのガラスの向こう側に答えがあるとは思いたくない。ガラス越しではなく、直接陽の光を浴びることができるような未来を少なくとも想像していたいです。


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