今春、中国の大手自動車会社が2011年までにブラジルに工場を建設する、とのニュースが世界を駆け巡りました。その規模はかなりのもので、投資金額は最大7億ドル、年間生産能力は10~5万台とのこと。台頭する中国メーカーの動きに、日本を始め欧米の自動車各社は警戒感を強めています。
ブラジルの首都サンパウロでは、数年前まで庶民の憧れは三菱自動車の四輪駆動車「パジェロ」だったそうです。それが最近では、より価格の安い韓国・現代自動車の「トゥクソン」。大型セダンでも、同社「アゼラ」の人気はホンダの「アコード」を上回っています。現代自動車は、小型車の現地生産工場を建設する意向を表明しており、テレビや携帯電話などの電化製品とともにますます台頭を見せています。
ブラジルはアジアから地理的に遠いイメージではありましたが、近年ブラジルで急成長する巨大消費市場に強くひきつけられているのは、中国や韓国に並んで日本も同様であり、他国の攻勢を前に、官民をあげて対抗を試みています。
今外務省が着目しているのは、ブラジルの主要都市を結ぶ新幹線の導入です。麻生総理とルラ大統領との間で開かれた首脳会談においても、総理は新幹線導入のメリットについて熱く語りかけました。
今後もますますアジアとブラジルとのつながりは強くなり、地理的な距離を埋めていくと思われます。
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